401kの基礎

国民年金と厚生年金は、国が運営することから、「公的年金」と呼ばれます。

それに対し、国がその公的年金を補完する新しい年金制度としてつくったのが確定拠出年金(掛け金つまり拠出額を確定する年金制度、401k)です。

公的年金は、現役労働者の保険料負担で、その時々の高齢者の年金給付に充てる「世代間扶養」という仕組み(仕送り方式)です。
少子高齢化社会の進展で、保険料を負担する現役労働者が少なくなり、逆に年金給付を受け取る高齢者が多くなりますが、このままではいつか負担できる限界を迎え、公的年金制度の維持は困難になってしまいます。そのために将来に向けた備えへの国民の自助努力(自分で積み立て自分で受け取る)に対し、国が課税負担の優遇を行って支援しようという制度が確定拠出年金です。具体的にはその掛け金(積立金)や運用上の利息はすべて非課税で、社会保険料の負担も不要というものです。

公的年金が、「世代間の仕送り方式」であることに対し、確定拠出年金は、「積立方式」です。

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その結果3階建の年金制度の組み合わせが可能となっています。(3階建て部分は任意)

確定拠出年金法(401k)とは

確定拠出年金法 第1条(目的) の条文

この法律は、少子高齢化の進展、高齢期の生活の多様化等の社会経済情勢の変化に鑑み、個人又は事業主が拠出した資金を(・・・略・・・)国民の高齢期における所得の確保に係る自主的な努力を支援(・・・略・・・)

 

すなわち、将来に備えて自己の努力で積み立てるお金には、国は優遇措置により支援するという法律です。平成13年に施行されたこの法律は、中小企業に十分に普及していなかった非課税制度の拡充が目的であり、公的年金制度の限界に対する国の危機感の表れです。

 

具体的には

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●掛金拠出時:所得が控除扱いになるため、社会保険料が削減され、所得税や住民税の負担も削減される

●運用時:本来利息や収益に対して発生する税金(20%)が非課税となる

●受取り時(60歳以降):退職所得控除・公的年金控除扱いという優遇処置を受けられる

⇒以上の3ステップにおいて、とても大きな優遇を国から受けることができます!

「企業型」と「個人型」

加入単位が企業ごとの制度を「企業型」、個人単位である制度を「個人型」と呼びます。

  企業型 個人型
非課税の範囲 社会保険料と税金
(課税前拠出)
 税金のみ
(課税後拠出)
掛け金の限度額 月額51,000円
※注
月額23,000円
加入単位 企業単位
個人単位

(※注)企業が厚生年金基金等の確定給付型の年金を実施している場合、掛金限度額は25,000円


個人型は自営業者や企業型年金加入者、厚生年金基金等の加入員の対象になっていない企業の従業員を対象としています。

企業型の方がそのメリットが大きく、利便性が高い制度となっております。

401kの特徴

1.  非課税制度の適用を受けながら社員の資産を大きく育てることができます

給与や収入から払えば税金の対象となる掛金や個人貯蓄であれば課税される運用益も401kの積立金であれば課税されず、そのまま運用に回されるので、401kの複利運用効果は個人貯蓄と比べ絶大なものとなります。

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2.資産運用のための金融商品の選定は個人が行います

個人や事業主が拠出した掛金は、社員個人の責任において資産運用を行い、個人別の口座で資産管理機関にて管理されます。用意される金融商品には高利回りが期待される分元本割れの恐れがある投資信託のような商品もありますが、定期預金や個人年金保険のように元本が確保されている商品もラインナップされています。

また個人ごとの口座の資産状況を、企業が知ることはできません。

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3.受け取りは60歳になったときです

日本版401kで大きく育った資産は60歳以降に引き出すことができます。一時金として受け取ることも年金として受け取ることもできます。年金受け取りを選択すると、引き続き401kのもとで資産運用ができ、運用益に対する課税は免除されます。さらに年金の受取時には税制上、公的年金所得控除の扱いを受けることができます。

また、公的年金の受取開始年齢は、原則として65歳以降となっておりますので、401kはもし60歳で退職したとしても、公的年金の受取開始までのつなぎの役割も果たします。

 

通常60歳になったときに給付されますが(老齢給付金)、それ以外でも下記に限って受け取ることができます。

 種類  受け取るケース  受取者  受け取る形
 老齢
給付金
 加入者が満60歳に達した時  本人  年金または一時金(雑所得または退職所得)
 障害
給付金
 加入者が病気や事故で障害者になった時  本人  年金または一時金(非課税)
 死亡
給付金
 加入者が死亡した時  遺族  一時金(相続税法上のみなし相続財産)
 脱退
一時金
 加入資格喪失後、一定の条件を満たした時(※注)  本人  一時金(一時所得)
 

(※注)退職後、専業主婦や公務員等となり、かつ加入期間が3年以下または年金資産が50万円以下である場合など。

何故401kって呼ばれているの?

確定拠出年金は、何故401k(よんまるいちけい)と呼ばれるのでしょうか?

これはアメリカの確定拠出年金制度に由来します。アメリカは日本より先に同じような確定拠出型の年金制度を取り入れており、税法の内国歳入法401条k項に定められていることから、アメリカでは一般に401kと呼ばれています。

世界的に確定拠出年金制度は採用されており、いろいろなタイプの制度がありますが、日本はアメリカのタイプをモデルとしたことから(日本版)401kと一般的に呼ばれるようになりました。

その他にもDC(Defined Contriburion Plan)と呼ばれることもあります。

企業型401kの掛け金の原資

企業型401kの掛金の原資には主に2つのパターンがあります。

1. 給与の一部を将来受け取りにするか、現在受け取りにするかを社員に選択させる権利を与えて、その選択部分を原資とするパターン
(下記の図のように給与の内枠部分の受取りを選択制として、企業型401kなどの確定拠出制度を行うことを選択制確定拠出といいます)

⇒選択制401kとは

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2. 従来の退職金制度部分を掛金の原資とするパターン

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これらの2つのパターン以外にも、掛金の原資として1と2を組み合わせたパターンや従来の賃金とは別枠(全員定額)で新しく掛金を追加することも可能です。また体力がある大企業などでは非課税枠全額を会社が負担するパターンもあります。

企業型401kはこのように比較的自由に設計することが可能となっております。

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